カフェインではげる?!薄毛・抜け毛に効果あり?!噂を徹底検証!

「コーヒー」と「はげ」。一見なんら関係ない言葉の組み合わせのようですが、薄毛に敏感な人はピンときているはず。

コーヒーの摂取はどうやら、育毛に影響しているらしいのです。それはコーヒーに含まれるカフェインが関係しています。

しかし、このカフェインが髪の毛にもたらす作用は「良い」と「悪い」に意見が 両極端に別れるようです。コーヒーは育毛効果があるという一方、薄毛になりやすいという説が混在するのはなぜなのでしょう。

薄毛は男性特有の悩みのように思いがちですが、近年は抜け毛や地肌が目立ってくることを気にする女性も多くみられます。

真実はどうなのか、両方の説とその根拠を検証してみましょう。

カフェインは育毛効果があるという説

コーヒーの他、緑茶、紅茶、コーラ、チョコレートなどに含まれているカフェイン。そのカフェインが育毛に効果的だという根拠はいくつかあります。

 

 カフェインの血行促進作用

カフェインは血管を拡張作し、毛細血管の血流を促進する働きがあるといわれています。 それにより頭皮の血行がよくなり、毛根にある毛母細胞に栄養がいきわたりやすくなるというのです。

毛母細胞は毛乳頭から栄養をうけて細胞分裂することで髪を再生するのです。血行がよければ、毛乳頭へ栄養をとどけやすくなります。

ただしカフェインの作用は一時的な物で2−3時間ほどのものです。血行を常時よくさせるためには、カフェインの摂取を頻繁にしなくてはいけにことになり、1日の適量400mg(約コーヒー3−4杯分)を超えてしまうリスクがあります。

 

男性ホルモンのテストステロンを抑制

薄毛は男性ホルモンが多いからというのが一因ですが、カフェインには男性ホルモンのテストステロンを抑制する作用があります。

テストステロンは 5αリダクターゼ (Ⅱ型)という酵素によって変換され、DHT(ジヒドロテストステロン)を再生するのですが、このDHTが薄毛の原因であるといわれています。DHTは毛乳頭細胞の受容体と結びつき、髪生成の細胞分裂をさまたげるのです。

 

テストステロンを抑制することによって、DHTの再生を抑制し、結果薄毛が抑制されるということです。

ただし、テストステロン自体は、骨格や筋肉の成長、性欲や生殖能力の増加などの役割をする、いわゆる男性にとっての「モテフェロモン」なので、薄毛の直接原因であるDHTを抑制したほうが、有意義ではあります。

 

女性のテストステロンの影響

テストステロンは男性のみのホルモンではなく、女性にも分泌されます。(男性の約5−10%)女性にとっても骨や筋肉の成長に役立ち、性衝動を増加させる作用があります。

テストステロンの増加により、体毛が濃くなったりしますが、女性の薄毛は、むしろ女性ホルモンの分泌の低下やバランスの乱れによる物が多く、その結果、男性ホルモンの作用が顕著にあらわれてしまうのです。

出産後や更年期に抜け毛がおきたりするのはそのためです。女性ホルモンは、もともと男性ホルモンが変形されてできるものなので、男性ホルモン自体は必要な物です。

薄毛の改善には、男性ホルモンの調節と女性ホルモンであるエストロゲンの増加を並行して行う事で、全てのホルモンのバランスをよくすることが効果的です。

 

カフェインは薄毛になりやすいという説

一方で、カフェインが育毛を阻害するという説も根拠はしっかりあるのです。

 

覚醒作用による睡眠の妨げ

髪は睡眠時に成長します。特に午後10時—午前2時は成長ホルモンがもっとも分泌される時間帯で、体内の肌や髪のあらゆる細胞や組織を修復、再生されるのです。

質のよい睡眠をとることが、毛母細胞の活性化にもつながります。しかし、カフェインは中枢神経を興奮させて覚醒作用をもたらします。

コーヒーを眠気覚ましがわりに飲んでいる人も多いと思いますが、就寝時にカフェインの作用が働くと興奮作用で睡眠を妨げてしまいます。

カフェインは摂取後30分ほどでその効果をあらわしますが、持続時間は4−5時間におよびます。

夕方以降のコーヒー摂取を控えるようにしないと、質のよい睡眠、ひいては髪の再生に悪影響をおよぼします。

 

アデノシン拮抗作用による髪の成長の阻害

カフェインはアデノシン受容体と結びつく事で、アデノシン拮抗作用(アデノシンを競合阻害する)作用があるのです。アデノシンは体内でエネルギー輸送の役割をもつ重要な物質ですが、髪の成長を促進する作用もあるのです。

アデノシンは発毛促成因子を生成し、毛母細胞を活性化するので、育毛剤などにも含まれている成分です。そのアデノシンの作用を、カフェインが抑制するのです。

アデノシンは神経の鎮静作用があり、睡眠を促します。カフェインが覚醒するのも、アデノシンの眠気作用を抑制するからなのです。

 

タンニンは亜鉛の吸収を抑制する

カフェインとは別に、コーヒーやお茶類にはタンニンという渋味成分が含まれています。タンニンには、 毛髪の再生成に必要な栄養素である亜鉛と結びつき、亜鉛の吸収率をさげる作用があるのです。

亜鉛は髪の毛を構成しているケラチンタンパク質に働きかけ、毛髪にする役目を果たしています 。亜鉛不足は髪の毛の育成を阻害するので、タンニンを含むコーヒーやお茶は、ミネラル不足の人は食後すぐには摂取しないほうがよいとされています。

 

頭皮に働きかけるカフェインシャンプーやカフェイントニック

カフェインをコーヒーやお茶として体内に摂取するのではなく、直接頭皮に塗布することで毛髪成長を促進するシャンプーやトニックもあります。

男性はもちろん、更年期の薄毛に悩む女性にとっても、 男性ホルモンの影響を おさえるので効果的です。

男性ホルモンのテストステロンを抑制し、薄毛の原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の再生を防ぐ、というカフェインの効用を、頭皮から働きかけようと意図するものです。

育毛効果をもたらすほどのカフェイン量を体内に摂取しようとすると、過剰摂取になってしまいますが、頭皮に直接塗布することで、体内のカフェイン中毒の心配もありません。

薄毛に両極に作用するカフェインはタイミングよく摂取することで解決カフェインは薄毛に「良い」か「悪い」という検証は、どちらの意見も理にかなっており、結局、カフェインは複数の相反する作用があるといえます。

薄毛が気になるけれども、コーヒーやお茶が飲みたいという人の解決策としては、タイミングを考え摂取することです。

亜鉛の吸収の阻害をしないために、食後のコーヒーやお茶を避け、質の良い睡眠を確保するために、カフェインの摂取は就寝の4−5時間前までにしておく、といった工夫をすることで、薄毛への悪影響はさけられるでしょう。