「朝起きたら、なんだか顔がいつもより大きくてはれている。」
「指がふくらんで指輪がぬけない。」
「ふくらはぎがパンパンになって、ブーツがはけない。」
こんな、むくみ症状で悩んでいる方は多いのでは?でもこれ、実はふだん何気なく飲んでいるコーヒーや紅茶が、むくみの原因になっている可能性があるのです。それは、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインの作用に関係しています。
むくみは体内の水分の流れにあった
人間の体は約60%が水分です。一時的に起こるむくみの主な原因は、体内の血液や水分の流れがわるくなり、滞るためです。
身体内の水分は絶えず流れています。血液は心臓から送り出され、毛細血管の動脈から染み出た水分とともに、酸素や栄養分を身体中の細胞に送り届け、その水分の約90%が静脈をとおって心臓へ戻ります。一方で、静脈側で血管にもどれなかった残り約10%の水分は、リンパ液となって二酸化炭素や老廃物を回収しながら、リンパ管を通って静脈に戻ります。
このとき血管内では、心臓がポンプのような役目をして血液を送り出しますが、リンパ管には心臓のようなポンプがないので、リンパ液の循環は、末端の手足の筋肉運動による圧迫(筋肉ポンプ)、リンパ管分節の収縮運動(蠕動運動)、そして防止弁により逆流をさけることで血管にもどります。
この一連の、体内にある血液やリンパ液の水分の循環が停滞したり、バランスが崩れたりすると、むくみがおこります。
足のむくみの原因は、長時間同じ姿勢を続けたために、リンパ液の循環が不順になった場合が多く、状態を改善し流れを良くしてあげることで元に戻ります。
ただし一時的なむくみではなく、他の病気が原因の可能性がある場合は、医師に相談しましょう。
夜のカフェイン摂取はむくみの原因? 睡眠不足に注意!
睡眠は身体の成長に大きな関係があります。
眠っている間には、体内組織の成長や再生、脳の疲労回復、筋力強化がおこなわれます。睡眠が充分にとれていないと、細胞の組織の中に疲労物質がたまり、血液中の酸素が不足します。
酸素不足になると赤血球がふえて、血液濃度が高まり血液の流れが滞ります。
質のよい充分な睡眠がとれていないと、余分な体内の水分が皮下組織にたまって、翌朝に顔がパンパンにむくんでいたりします。
寝る前のコーヒーや紅茶は、カフェインの興奮作用で、睡眠の妨げになるのでさけましょう。
睡眠不足による女性ホルモンの乱れはむくみをおこす
睡眠が充分にとれないと、女性ホルモンのバランスも崩れやすくなります。それは体内の組織の活発化と同様に、女性ホルモンの活発化も夜の睡眠中におこるからです。
特に、夜11時から夜中2時にかけてが、女性ホルモンの活発のピーク時です。
睡眠不足は女性ホルモンのバランスを乱し、体の水分量の調節に支障をきたし、むくみの原因になります。妊婦や、生理前の女性は女性ホルモンのバランスを崩しやすく、むくみやすくなります。
女性ホルモンの乱れは、むくみを促してしまいます。カフェインの過剰摂取は、女性ホルモンを活性化する夜の眠りに影響をおよぼしますので注意しましょう。
むくみ解消は生活習慣を正すことから
むくみは生活習慣の乱れを改善することで、大きく解消できます。
適度な運動は血流を良くします。同じ姿勢でずっとデスクに座っていると、体内の水分の循環を滞らせます。トイレ休憩をこまめにとったり、外を少し散歩したりして、足にたまった血液やリンパのめぐりを良くしましょう。つま先立ちでのかかとのアップダウン運動は、ふくらはぎの筋肉を強化するので、ふくらはぎのむくみ予防になります。
アルコールを飲みすぎた翌朝は、むくみやすくなります。そんな時は寝る前にスポーツドリンクなどのミネラルを含む水を飲んで、就寝中の体内の水分の流れを良くしましょう。
塩分の過剰摂取は水分をためる原因になるので、塩分の多い食品はさけましょう。 カリウム摂取は塩分を排出してくれるので効果的です。 塩分を取りすぎたときは、カリウムを多く含むバナナやリンゴ、キュウリ、スイカなどを食べましょう。
マッサージは、滞っているリンパ液の循環を促すのに効果的です。リンパの流れの最終出口である鎖骨からはじめるのが効果的です。それから徐々に遠くのリンパの集まるリンパ節(鼠蹊部、脇の下、腹部、膝の裏、耳下など)を温めたり、マッサージして、たまった老廃物を流しましょう。