吸引(スニッフ)や吹かすのが流行!?海外の驚きカフェイン摂取事情!

カフェインときくと、コーヒーやお茶を飲んだり、あるいはチョコレートを食べたりするイメージがありますが、普通に飲んだり食べたりするだけでは、飽き足らない若者たちがいるようです。

最近、海外のティーンエイジャーの間では、カフェインの粉を薬物のように鼻で 吸引(スニッフ)したり、コーヒーの粉や豆をタバコのように吸ったりするのが流行しています。

しかも、そういったハウツー・ビデオを動画共有サイトに投稿し、それを閲覧してマネをしたがる若者が急増しているのです。

「別に違法じゃないし、若いんだから多少ハメ外してもいいよね」と、甘く考えてはいけません。一見単なる楽しい遊びのようにやっていることでも、一歩間違えれば身体を傷つけ、場合によっては死に至ることもあるのです。

刺激が欲しいために、ついついやってしまう遊びは、危険がいっぱいなのです。そこで、最近の若者の間で流行している、やり過ぎ事情をまとめてみました。

なお、本文は、こういった行為がいかに危険かということを示唆しているものなので、決して模倣はしないでくださいね。

危険だけど刺激的。粉末状カフェインが人気の理由

「刺激剤がほしい」そう感じているのは、仕事の締め切りまえなのに、猛烈に襲ってくる眠気と戦っているあなただけではありません。

人間は刺激と快楽をもとめる生き物です。まして中高生の多感な時期は、過激で新しいことを追い求めてしまうもの。

そんな若者たちの間で近年、粉末状カフェインのスニッフ、いわゆる鼻による吸引が流行し、アメリカのメディアではその危険性が警告されています。

カフェインはコーヒー、お茶、カカオなど自然植物に含まれているアルカロイドの一種ですが、カフェイン成分のみを脱水し人工的に抽出した化合物もあり、炭酸飲料やエナジードリンク、ガムなどに添加物として含まれています。

人工的に抽出したカフェインの成分は無水カフェインと呼ばれ、白い粉末での形状やカプセルや錠剤の固形状で、アメリカではインターネットなどで簡単に入手できるものです。

100gあたり$10程度で手に入るので、筋力トレーニング前にシェイクに混ぜて飲んだり、眠気覚ましに水に溶かしてエナジードリンク代わりにして飲んだり、と水や食品などに少量添加するのが本来の摂取方法です。

カフェイン飲料を買うより、はるかに安価なのも魅力的です。

市販されているエナジードリンク1000本分ほどのカフェイン量が、100gの粉末状カフェインの袋にはいっているので、手軽で安価な刺激剤として、若者やボディビルダーたちに好まれています。

しかし、ここでの問題は粉末状カフェインの恐ろしさです。なにしろ、カフェイン飲料にくらべ、はるかに強力で刺激性があるので少量で過剰摂取の危険があります。

粉末状カフェインの過剰摂取による二人の若者の死亡事故が、アメリカで明らかになっています。

それ以来、政府の食品や医薬品の安全を行政する機関のFDAは、 粉末状カフェインを購入しないよう消費者に警告するとともに、粉末状カフェイン製造者に対しても、きわめて危険な製品だと指摘し、警告書をだしています。

このような警告により、現在は100%純粋な粉末状カフェインの販売の停止や、注意書き表示の改善などがされていますが、危険性を重視する消費者の間ではこのような危険な製品は一切販売を禁止すべきだ、との声もあがるほどです。

カフェインは中枢神経を刺激させ、興奮や覚醒の作用をもたらします。過剰摂取すると、動悸、めまい、吐き気、下痢、などのさまざまなカフェイン中毒の症状をもたらし、場合によっては死にもいたります。

 

即効性が高いカフェインのスニッフは過剰摂取におちいりやすい

少量で強力な効果をしめす粉末状カフェインは、本来口から摂取すべきものです。

それを鼻吸引、スニッフすると、鼻の粘膜から直接成分を血流に吸収させるので、即効性、強力性が高まります。

即効性がある一方で、効果が切れるのも早いので、頻繁に摂取し中毒に陥りやすい傾向もあります。

スニッフは胃に入らないので、胃をいためる事がなく良いと思いがちですが、逆に、鼻粘膜を損傷したり、中耳炎の原因になったり、粉が気道におちて肺を痛めたりする危険性があります。

さらにわるいのは、粉末状カフェインが手に入らないからと、錠剤であるカフェインをあえて粉にして砕いてスニッフするという行為です。

なぜ固い固形状のものを、わざわざ粉状にする必要があるのでしょう。

薬やサプリメントは体内の吸収時間を考慮し、効果性、安全性を考慮したうえで最適な形状となっているのです。錠剤を粉に砕いてしまうと、効果が半減、または過度に効きすぎる原因となります。

また錠剤は成分の崩壊時間を計算するため、あるいは、成分の苦みを抑えるために、何層もコーティングされているものもあります。この層に含まれる添加成分が鼻にとっては有害な刺激物の場合もあり、粉状にしてスニッフすると、繊細な鼻の粘膜を刺激し損害をあたえる可能性もあります。また、錠剤の破片が鋭利であると、鼻を傷つけます。
鼻専用の物以外はスニッフしないに限るでしょう。

ハロウィーンキャンディをスニッフすると鼻にウジ虫がわく可能性も

粉末状カフェインが手に入りにくい中学生にとっては、とりあえず粉状にくだけるものならなんでも構わないようです。

アメリカのロードアイランドのポーツマス中学校では、ハロウィーンのキャンディとして知られるSmartiesを粉状に砕いて鼻で吸引するのが流行っているのです。(3)

Smartiesとは主に砂糖成分の粉をタブレット状に固めた清涼菓子で、日本の菓子で例えると、ラムネ型のパッケージにはいっている粒状のラムネキャンディーや、ハイレモンのような類いのものです。

今や動画サイトはこうした数々の「○○を吸引してハイになる方法」なるビデオがあふれんばかりに投稿されています。

Smartiesキャンディもしかり、TVや映画に出てくるコカイン常用者を模倣するように、キャンディを粉状にして、ミラーの上に細い粉の線をつくり、丸めたドル札をストロー代わりにして、鼻からスニッフするといった動画が何百も動画サイトに投稿され、子供たちを熱狂させています。

中には、キャンディの粉を、口の中に入れて鼻から息を吸い込む「スモーキング」の方法も投稿されています。

しかし、この行為は鼻が傷ついて内出血するばかりか、鼻腔の感染症や、咳や喘息などの肺の病気の原因となるとされています。

糖分と埃が鼻に残存し、場合によっては鼻の中にハエが入り込み、幼虫を産んでウジ虫がわいてしまう可能性もあるのだとか。考えただけでもグロテスクです。

このキャンディの成分はおもにブドウ糖、クエン酸、ステアリン酸カルシウム、香料、着色料などで中枢神経に働きかける刺激物などは添加されていません。

それにもかかわらず、薬物でハイになったかのような疑似感を模倣しているのですが、こうした行為をする子供たちは、将来薬物などの中毒になりやすい傾向があると、親たちは警告しています。

まあSmarties遊びをしているところで、賢く(Smart)ならないのは確かです。

 

コーヒー豆と付箋紙とコットン・ボールでお手製コーヒーたばこ

スニッフ行為ばかりではなく、喫煙行為も若者にとっては模倣対象です。

コーヒーの粉や豆をタバコの代わりに吹かす「コーヒー喫煙」が10代の若者たちの間で増加し、この行為はカフェインの過剰摂取の原因となり、幻覚をもたらす危険なものだとして問題視されています。(4)

中高生たちはコーヒーの挽いた粉やコーヒー豆を付箋紙で巻き紙のように包み、コットン・ボールでフィルター(口につける部分)を作り、手巻きタバコのように火をつけて吸うのです。

「タバコよりも口当たりが滑らかだし、コーヒーを飲むよりガツンときいて最高」といったような体験談がソーシャルメディアに投稿され、マネをしようとする人が後をたちません。

本当に試して「まずいし、苦しいし最悪だった」と評価する人もいますが。

コーヒー喫煙は脳に刺激する速度が速く、コーヒー1杯飲むのと比べ、効果が強力です。 しかしコーヒー煙を吸うことで、呼吸困難になり、めまいや吐き気、または幻覚などの深刻な症状を引き起こす場合もあります。

これまでもタバコを模倣した擬似的な喫煙は、コーヒーだけではなく他のものでも試されてきました。

チョコレートのキャンディ・バーや、ウオッカに漬け込んだグミなど、家庭で手に入りそうなものはとりあえず、火をつけて吸ってみようとするのですが、その味はおそらく美味なものではないでしょう。

 

ソーシャルメディアによる情報の拡散が若者のやりすぎを増長させる

カフェイン、コーヒーの粉、キャンディなどでスニッフやスモークをする事自体は違法ではないし、このような行為事態は目新しいわけではありません。

昔から似たような遊びをしている若者はいたわけですが、近年においてまた流行の兆しをしめしているのは、なんといってもインターネットにおける、膨大な情報の拡散によるものでしょう。

SNS、動画共有サイト、ブログなどのソーシャルメディアにおいて、利用者が発信した情報は「Viral(ウィルス性の)」な特質をもち、短期間で拡散します。

もちろん重要なニュースや速報、優れたパフォーマンスなどのコンテンツが、瞬時に世界中に伝達されるのは大きな利便ではありますが、その分悪質な情報もまさにウィルスのごとくあっというまに広がるのです。

害をもたらしかねない情報を、視聴者の年齢により規制されるようなサイトはまだまだ少なく、また大人よりもテクノロジーに長けている青少年にとっては、規制もあまり障害にはなってはいないようです。

一方で、TVや映画などの映像社会においてはアメリカは規制が厳しく、特に児童用の映像にたいしては、銃、タバコ、酒、薬物、 暴力的、性的シーン、卑語などに規制を設けています。

海外から輸入されたアニメなどは子供への悪影響をさけるべく、修正や削除などの手がくわえられ放送されています。

しかし弊害もあり、重要なシーンなどの編集処置により、作品が面白みのないものになってしまい、作品に対する冒涜だ、と不満の声もあるようです。

ソーシャルメディアは、利用者同士が自由に交流することを意図としたものなので、規制や管理が特に難しく、利用者は使いこなせれば楽しいですが、かえって社会的孤独や社会的暴力をまねいてしまうリスクもあります。

氾濫した情報はそのまま受けとめるだけはなく、取捨選択することが大事です。必要のない情報を切り捨てる事で、脳が身軽になり、心に余裕もうまれます。

インターネットの情報は自分の判断でしっかり断捨離して、人生の調和を維持したいですね。