コーヒーなどのカフェインが眠気覚ましに効かないと危険!?正しい使い方は?

眠気覚ましにコーヒーを飲むのは一般的ですが、なかにはコーヒーでは眠気覚ましにならないという人もいるようです。

コーヒーを飲むとリラックスしてしまい、帰って眠気をさそってしまうのだとか。

コーヒーに含まれるカフェインは覚醒作用がありますが、人によって効く、効かないがわかれるのはなぜなのでしょう。

コーヒーを何杯飲んでもちっとも眠くならないのは、実は危険な兆候かもしれません。なぜならコーヒーの飲み過ぎで、カフェインに対する耐性ができてしまって、中毒におちいっている恐れがあるからです。

最近カフェインの過剰摂取による死亡事故がとりあげられて、カフェインの効果や効能とともに、その危険性が騒がれています。

では、カフェイン中毒にならずに、コーヒーで目覚まし効果を発揮させるには、どうしたらよいのでしょうか。

カフェインの中毒に注意!コーヒーは1日3−4杯まで

カフェインは中枢神経を興奮させ、覚醒作用をもたらします。これはカフェインがアデノシン受容体というレセプターと結合して、アデノシン本来の、疲労感や眠気を感じるという作用を抑制させるからです。

コーヒーを飲んでも眠くなってしまうという人も、以前はその覚醒作用が効いてていたのではないでしょうか。しかし、カフェインは常用すると耐性ができてしまい、量を増やさないと、効果がうすれてきてしまいます。

健常な成人の1日のカフェイン適正摂取量は400mg(約コーヒー3−4杯分)までです。1日コーヒー1−2杯にとどめている人は、カフェインの眠気覚ましの効果を自覚できるでしょう。

しかし、耐性ができてしまっていると、より強い刺激が必要になってくるので、当然コーヒー1杯では効果がえられず、エナジードリンクなどより高いカフェインの含有量の飲み物に移行します。

そして、それすら効かなくなり、続けて何本も飲んでしまう。カフェインの一度の摂取は200mgまでが適量です。

エナジードリンクは1本に約80mg−150mgのカフェイン量を含んでいるので、何本も続けて飲むと過剰摂取になり、カフェイン中毒におちいります。

カフェインは脳神経に作用するので、効果が切れるとき、離脱症状として頭痛、疲労、睡眠欲などの症状がおこります。

カフェインによって抑制されていたアデノシンの眠気作用が、急激に働きだすので、余計眠気がおそってくるという状態になるのです。

眠気覚ましに飲んでるはずのコーヒーが、逆に疲労や睡魔をもたらすという、なんとも無駄なことをしているのです。

コーヒーが効かないと感じている人は、コーヒーの常用をさけるべきでしょう。ここぞ、という必要な時のみに摂取するからこそ、カフェインの効果はいきてくるのです。

 

タイミングが大事!カフェインは取っては行けない時間帯がある

実はカフェインが効く、効かないは1日の時間帯によっても変わってくるのです。

これは副腎皮質から分泌される「コルチゾール」というホルモンと、私たちの体内時計が関係しています。

コルチゾールは覚醒ホルモン、またはストレス・ホルモンともいわれ、体内の緊張や、興奮作用をもたらします。

このコルチゾールが活発化している時は、カフェインの効果が抑制されるといわれています。いえ、むしろカフェインをとる必要はないのです。なぜなら、己の力で自然覚醒している時ですから。

自然覚醒の状態でカフェインをとってしまうのは、反って耐性ができてしまうので逆効果となります。

 

それではカフェインをとるタイミングはいつがよいのでしょう?

それはコルチゾールが減少した時です。コルチゾールの活性している時間帯は朝8ー9時、正午ー午後1時、そして午後5時半ー6時半です。

よって、コルチゾール値の下がる午前10−11時、午後2−3時に焦点をあてたカフェイン・タイムが効果的です。カフェインが効果をもたらすのは摂取後30分たってからなので、自分の眠気のタイミングをみはからって、少し前に摂取したいですね。

また、午後4時以降の摂取は、夜の眠りの妨げになってしまう恐れがあるのでさけた方が無難です。

コルチゾールの分泌が最も高いのは朝8時です。朝の目覚めにと、この時間帯にコーヒーを飲むのは、実は科学的に効果的ではないのです。朝一のコーヒー・ブレイクは午前10−11時にするのがおすすめです。

 

コーヒーで昼寝対策。カフェインの効果時間をねらった「コーヒー・ナップ」とは?

カフェイン作用が効きはじめるのは、摂取後約30分といわれています。効果は1−2時間目がピークで、約4−6時間持続します。

ということは、眠気がおそってきたすぐにコーヒーを摂取しても、効果がでるのは30分後ということです。せっかくコーヒーを飲むなら、効果の出る時間を理解した上で賢く利用したいですね。

実は、そのカフェインの作用時間を利用した「コーヒー・ナップ」という昼寝方法があります。

眠気が襲ってきた時は、眠るのが一番の解決法です。ほんの20分くらいの仮眠が、一時しのぎのドリンクなどの刺激より効果的です。

そこでコーヒーを飲んですぐに仮眠にはいり、20分後に起きると、カフェインの効果ですっきり目覚められるのです。その昼寝方法が「コーヒー・ナップ(Coffee Nap)」なのです。

カフェインは摂取してもすぐ効果がでないので、効き始めるころに起床時間を設定することで、気持ちよく目が覚め、元気になれるのです。まさに、仮眠とカフェインの作用をあわせて、いいとこ取りをした方法です。

コーヒー・ナップの優れた効果はテストでも明らかになっており、カフェイン抜きの仮眠とカフェイン摂取後の仮眠を比較した結果、車の運転テストでは明らかにコーヒー・ナップをとったほうが、ミスの回数が減ったとでています。

また記憶力のテストでも、コーヒー・ナップをとった被験者は、仮眠のみの被験者よりも良い点数をだした、という結果がでています。

実験の参照元:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8936399

ただし、20分以上の仮眠は、逆に睡眠感性が強くなり、目覚め感がわるくなるので注意が必要です。

運転中に仮眠を取る場合、仮眠後に脳がまだ活性化せず、睡眠感性をひきずったまま運転すると、注意力が働かず事故の危険性があるので注意しましょう。