カフェインレスというのは『カフェインがほとんど入っていませんよ、含まれる量が0に近いですよ』という物です。ここで気を付けなくてはいけないのが、カフェインレス=カフェインが入っていないと勘違いしてしまう方が多い事です。
- カフェイン
- カフェインレス→少量しか含まれてません。
- ノンカフェイン→全く含まれておりません。
カフェインにおいてはこの様な図式となります。カフェインは身体に良い物ではありますが、刺激物である為に取り過ぎると悪影響を及ぼしてしまいます。お薬に良くある用法用量をという事ですね。
その為カフェインに対して不安な方も多いと思います。そんな皆様に今回ご紹介させて頂くカフェインレス。そのカフェインレスについて知ってもらえればと思います。
お家で安心ティータイム、カフェインレスコーヒーの製造方法
最近では様々なカフェインレスが施された商品が売ってますよね。コーヒーに限らずお茶やコーラなどでも見かける時があります。どんどん身近になりつつあるカフェインレスですが、どの様にしてカフェインレスが作られるのか興味ありませんか?
実は製造方法は一つではないのです。せっかくなのでご紹介させて頂いちゃいます。
- 薬品を使う製造
- 水を使う製造
- 二酸化炭素を使う製造
①薬品を使う製造
※「薬品はちょっと・・・」と思われる方はご安心下さい。薬品を使った製法での販売は日本で禁止されております。海外では販売されておりますので知識として知っておくと便利!といった感じでお聞き頂ければと思います。
薬品を使う製法は「有機溶媒抽出法」と呼ばれております。コーヒー生豆を直接有機溶剤に入れる、もしくは間接的に有機溶剤を使いカフェインを除去します。有機溶剤としては塩化メチル・クロロホルム・ジクロロメタンなどが用いられる事が多い様です。
こちらは安価で製造出来る方法であり基本的には問題ないとされておりますが、説明を聞いてるだけでもやはり不安になってしまいますよね。こちらは成分の損失も多い為風味も多く損なわれてしまいます。その為に日本では販売されていないんですね。
②水を使う製造
オーガニックコーヒーなどのオーガニック飲料はご存知ですか?この水を使う製造法にはオーガニック飲料にも良く用いられます。もちろん基本的にカフェインレスが多く扱われております。
さて水を使う製造法ですがこちらも名前がついており「水抽出」「ウォーター・メソッド」「スイス式水抽出法」と呼ばれております。
「スイス式」と聞くと国のスイスを思い浮かべると思いますが、カナダのスイスウォーター社が独自に開発したカフェイン除去法という事でスイス式とされております。
こちらの製造法ですがコーヒー生豆を充填した槽に水を通してカフェインを水溶性成分ごとに抽出、その後有機溶媒で抽出除去します。
ちょっとしたリサイクル式にもなってますので経済的・成分や風味を損ないにくい・有機溶媒が直接生豆に接触しない為、安全性が高いなどを理由に多く用いられてます。
少し長々とお話しましたが主に水を使って除去しちゃいます、そして環境にも配慮して使用したお水をリサイクルしちゃいますという安心安全を兼ね備えている製造方法という訳です。
③二酸化炭素を使う製造
「超臨界二酸化炭素抽出」「臨界二酸化炭素抽出」と呼ばれております。安価で安全という事もあり、最近増えてきた製造方法ですね。二酸化炭素を一定以上の圧力と温度を加えると超臨界流体と呼ばれる状態になります。これが名前の基になっているんですね。
それによりカフェインを抽出し、抽出後に圧力と温度を元に戻せば二酸化炭素も除去出来るという説明させて頂いた中でも安心率が一番高い訳ですね!
万が一の毒性の心配、後々の廃液処理の心配がいらない、有機溶媒による火災の心配もない、など有機溶媒抽出法のデメリットをあらゆる面でカバーしているんですね。比較的新しい製造方法の為、今でも改良を重ねており効率的な抽出除去を模索している様です。
④カフェインレス・コーヒーノキ
こちらはまだ実用には至ってないのですが、カフェインレスへの新しい試みを行っている様です。おまけ程度に聞いて頂ければと思います。
進化してきた抽出方法ですがそれでもやはり多少なりとも風味が損なわれてしまうという事で、その解決策として打ち出されたのが最初からカフェインを含まない「コーヒーノキ」を育種しようという所です。
現段階ではカフェインが含まれないという事はなくカフェインが通常より少なくなってはいるが、カフェインレスの基準はクリア出来ていないといった段階です。こちらの成功により、さらに快適なカフェインライフが送れるといいですよね。
最後に
今回はカフェインレスの製造方法ついてお話させて頂きましたがいかがでしたでしょうか?少し小難しいお話も多かったですが、日本で販売されているという事は安全面に問題ありません。ちなみにカフェインレスは「デカフェ」と呼ばれている事が多いみたいですね。
またデカフェやノンカフェイン以外にも様々な試みがされております。例えば穀物やチコリなどを原料にしたコーヒー、厳密にはコーヒーではありませんがたんぽぽコーヒーやたんぽぽ茶。もしかしたらお名前は聞いたことあるかもしれませんね。
ちなみにたんぽぽコーヒーやたんぽぽ茶は呼び名が違いますが、一緒です。コーヒーなどに風味が似ていますが別物であるという事はご注意ください。
そういえばデカフェについて欧米などでは一定の規格すら存在している様です。理由としてはカフェイン酔いをする人が欧米では多いらしいです。日本人がお酒に酔うといった感覚と同じみたいです。ちょっとしたマメ知識ですね。
カフェインは取りたいけど少量がいい、コーヒーや紅茶は好きだからいっぱい飲みたいです!という方にはカフェインレス、オススメです!