コーヒーや紅茶、チョコレートなどに含まれるカフェイン。 さまざまな効果があると最近話題になっていますが、頭痛に効果があるといわれているのはご存知ですか?
頭痛薬なしでコーヒーを飲めば、頭痛がなおるなんてお手軽ですよね。
ですがそれに反してチョコレートやコーヒーを取りすぎて、頭痛や吐き気をもよおしてしまったという意見もあります。
カフェインは頭痛に効くのでしょうか、それとも頭痛を引き起こすのでしょうか?
相反する矛盾を解くべく、頭痛や吐き気の原因、そしてカフェインがどのように関係しているか調べてみました。
カフェインは偏頭痛にきく
実は「頭痛」と一言でいっても頭痛には種類があり、種類により原因や特徴がそれぞれ異なります。頭痛の原因によって、対処がちがいますので注意が必要です。それではカフェインが効く頭痛はどういったものなのでしょう?ここで頭痛のタイプと特徴について少し紹介しておきましょう。
頭痛には大きく2種類あります。頭痛そのものが病気である、いわゆる「頭痛持ち」とよばれる一次性頭痛と、他のなんらかの病気が原因でおこる二次性頭痛です。さらに前者の一次性による頭痛を分類すると「偏頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」と大きく3つの種類があります。
偏頭痛
脳の血管が拡張することによって、血管の周りの神経が圧迫されておこるのが原因といわれています。頭部の片側に走る、ズキンズキンと脈を打つような痛みが特徴です。
緊張性頭痛
首や頭の長時間による筋肉の緊張によって血管が圧迫され、血行が悪くなるためにおこるのが原因です。 こちらは頭全体が締め付けられるような、重い痛みと肩や首の痛みが特徴です。
群発頭痛
目の後ろを通る動脈が拡張するために、おこる炎症が原因といわれています。偏頭痛や緊張性頭痛に比べその発生率は低いですが、目がえぐられるような激しい痛みが特徴です。「この世のものとは思えない痛み」と言う人も。
カフェインの効果があるのは偏頭痛
カフェインの効果があるのは、偏頭痛の場合です。
なぜならカフェインには脳内の血管を収縮する作用があります。カフェインを摂取することで、拡張した血管を収縮させ、もとに戻すことで痛みは改善されるのです。
カフェインの他にも拡張した血管をもどすため、痛みのある部分を冷やすのも効果的です。冷えたタオルや冷却シートなどで痛む部位を冷やして、しばらく安静にするのが一般的な対処法です。
またカフェインには即効性の鎮痛作用があります。
カフェインを摂取すると、脳からドーパミンという物質を放出させます。これはやる気を増加させる元気物質ですが、痛覚神経にも働きかけ痛みをやわらげる作用があります。そのため、カフェインが含まれている頭痛薬が多くあります。
チョコレートにはカフェインのほかに、チラミンという物質も含まれています。このチラミンも血管を収縮させる作用があるのです。カフェインとチラミンを両方含むチョコレートは偏頭痛にはとりわけ効果的といえます。
カフェインが頭痛をひきおこすわけ
カフェインが偏頭痛にきくというのはわかったけれども、逆に頭痛をおこすというのはなぜなのでしょう。
実はこれはカフェインの摂取量に関係します。カフェインは適量であれば、その効果を発揮しますが、過度のカフェイン摂取しすぎたばあいは、切れたときに起きる離脱症状が頭痛や吐き気の原因となります。
一日当たりのカフェインの適正摂取量は 健康な成人で300−400mg、コーヒー3−4杯に相当します。一度の摂取量は200mgまでです。
カフェインはコーヒーやお茶、エナジードリンク、チョコレートなどいろいろなところに含まれています。
自分はそんなにコーヒーを飲まないので大丈夫、と思っても他の飲み物や食べ物で気づかないうちに過剰に摂取してしまっている可能性があります。
摂取を中断したときにおこる副作用は頭痛、吐き気のほか疲労感、情緒不安などがありますので、カフェインに依存してしまわないよう注意が必要です。
頭痛の原因をしっかり把握して正しい対処を
カフェインの脳の血管を一時的に収縮させる作用は、頭痛を抑制する一方で、過度の摂取は頭痛を招くという面もあります。
偏頭痛をおさめるために、適度に飲むのは効果的ですが、過度摂取しないよう十分に気をつけましょう。
また頭痛は、原因によっては命取りになるものもあります。
くも膜下出血や脳出血など病気が原因でおこる頭痛は、命にかかわる危険性があります。いつもと違う信じられないような強烈な痛みをともなう頭痛は、すぐに専門医の診察を受けましょう。
頭痛の特徴と原因をしっかり把握した上で、適切な対処を心がけたいですね。