コーヒーに代わる人気の予感?薬局の無水カフェインの錠剤が便利?!

コーヒーやお茶にかわる眠気覚まし薬として、最近注目をあびている無水カフェイン。無水カフェインは、コーヒーなどに含まれているカフェイン飲料と同じ作用がありますが、形状は結晶化された白い粉末状のものです。

いったいいつ頃から無水カフェインは使われるようになったのでしょうか。

また、海外ではカフェイン・パウダーとして粉末の形状でインターネットなどで販売されていますが、日本では、錠剤の形状で眠気除去薬、かぜ薬、鎮痛薬、酔い止め薬などに配合されているのが一般的です。

無水カフェインの錠剤としての利便性は何なのでしょうか。

カフェインの命名から無水カフェインの誕生まで

まずはカフェインの発見から無水カフェイン誕生までの豆知識を、ここでちょっとご紹介しましょう。

カフェインの起源は遥か遠く数千年前までさかのぼり、多数の地域におよぶといわれています。

古くでは、紀元前3000年もまえから中国でお茶が飲まれています。カカオは紀元前2000年からメキシコや中央アメリカ地域のメソアメリカで栽培され、のちに貨幣として珍重されていました。

900年頃アラビアでは「バンカム」という名のコーヒー豆の煮汁が秘薬として飲用されていたようです。

このように多くの国で古くから親しまれていたコーヒー、カカオ、茶ですが、これらの自然の植物から、カフェインという成分が最初に発見されたのは、わずか200年前です。

カフェインの成分の分離に最初に成功したのは1819年(1820年という説も)ドイツの化学者フリードリヒ・ファーディナンド・ルンゲによってです。彼はコーヒーから単離したその成分を”Kaffebase“(コーヒーに存在するベース)と名付け、パリの薬局学会で発表しました。

もっともカフェインという用語が最初に登場したのは、1823年にフランスの化学者ピエール=ジョセフ・ペルティエが出版した文献によってです。ペルティエがカフェインの元素分析を発表した文献には、”Caféine“(コーヒーを元素化したもの)という名前が使われ、その名前が現在残ったようにみられます。

参照元:https://en.wikipedia.org/wiki/Caffeine

いずれにしてもカフェインは、ドイツ語でKaffee、フランス語でCaféという、コーヒーの名前から由来しています。

ドイツの化学者ヘルマン・エミール・フィッシャーは植物成分からカフェインの 化合物の構成を特定し、のちに合成に成功しました。彼はカフェインを含むプリンや糖類の合成に功績を残し、1902年にノーベル賞を受賞しています。

参照元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC

1906年にドイツで脱カフェインの技術が考案されて以来、カフェイン分離の技術は進化をとげています。

参照元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7

現在のコーヒー豆からカフェインの抽出方法には、 「有機溶媒抽出 」、「水抽出法」、「超臨界二酸化炭素抽出法」などがあります。

「 有機溶媒抽出 」は有機溶剤に発がん性があるというリスクから、現在では主流ではありません。 「水抽出法」は水に浸した豆を活性炭フィルターで濾過し蒸発させたものです。

「 超臨界二酸化炭素抽出法」は二酸化炭素の超臨界流体の状態にしてカフェインを抽出する方法です。安全性が高く、前者より優れた方法です。二酸化炭素内に含まれたカフェインは高圧水を噴霧によって液体化し、この水を濾過することで、純粋な白色粉末状に分離することができます。

このようにコーヒー豆から分離されたカフェインの結晶は無水カフェインとして医薬品や飲食品に使用され、カフェインを取り除いたコーヒー豆はディカフェインやカフェインレス・コーヒーとして販売されているのです。

現在、我々がカフェインの配合されている多種多様な飲食品や医薬品に巡り会えるのは、こうした技術の革新があるからなのです。

 

[無水カフェイン vs.カフェイン飲料]コーヒーの苦みが嫌いな人は無水カフェインがおすすめ

コーヒーやお茶の苦味や渋味が苦手、でも速攻で効く眠気覚ましが必要な人にとって、無水カフェインの錠剤は摂取しやすく、コンパクトで携帯しやすいので便利です。

水と一緒に服用するだけで、わざわざコーヒーやお茶を淹れたり、購入する手間が省けます。最近ではドロップタイプで、水入らずで口の中で溶かすだけという実に手軽な物もあります。

また無水カフェインは一般的なカフェイン飲食品と比べ、カフェイン量が明確です。

コーヒーやお茶のカフェインは淹れ方や製品の種類によって、カフェイン含有量がまちまちなのです。例えばコーヒーは、フィルターで抽出したドリップコーヒーのほうが、エスプレッッソ・マシンやインスタント・コーヒーと比べ、1回分のカフェイン量が多いのです。

豆の焙煎方法でも浅煎りのほうが深煎よりカフェインの含有量は多く、豆の種類でもロブスタ種のほうがアラビカ種に比べ、2倍のカフェイン量があるといわれています。

水出しの抽出方法は、お茶、コーヒーともにカフェイン含有量が少なくなります。

正確なカフェイン含有量を把握することができる無水カフェインは、摂取量をコントロールしやすいといえます。

美容面でも、きれいな白い歯を保ちたい人に、無水カフェインは便利です。コーヒーや紅茶の摂取は、歯の黄ばみの原因になりますが、無水カフェインは黄ばみの心配がないので、歯みがきの手間がはぶけます。

 

無水カフェインはどこで手に入れることができるの?

無水カフェインの錠剤は処方箋なしでドラッグストアで購入できます。このようなカフェインを含有する医薬品は、副作用防止のために、ビタミンB群なども配合されているので効果的です。

価格の面でも、カフェのコーヒーや、コンビニの缶コーヒーに比べ、カフェイン含有量率では安価なので、購入のさい考慮したいですね。

第3類医薬品として販売されている、おもな無水カフェイン(錠剤・チュアブル・顆粒・液体)はこちらです。

製品名無水カフェイン含有量用法・用量容量・価格(税別)
エスタロンモカ錠100mg

(1錠)

1回量1錠、1日3回まで

4時間以内の連続服用をさける

24錠入り

400円

エスタロンモカ12200mg

(1錠)

1回量2錠、1日2回まで

6時間以内の連続服用をさける

20錠入り

480円

エスタロンモカ内服液150mg

(1瓶)

 

1回量1瓶(30ml)

1日1回まで

コーヒー味

30mlx2本

880円

オールP錠F100mg

(1錠)

1回量1錠、1日1−3回まで

4時間以内の連続服用をさける

30錠入り

800円

カーフェソフト93mg

(1錠)

1回量1−2錠、1日5錠まで

4時間以内の連続服用をさける

16錠入り

460円

トメルミン500mg

(1日量 3錠中)

水不要、1回量1錠、1日3回まで

4時間以内の連続服用をさける

メントール味

12錠入り

1080円

カフェロップ500mg

(1日量  12粒中)

水不要、ゼリー状ドロップ剤1回4粒 1日3回まで コーヒー味12錠入り

220円

カフェクール200200mg

(1包)

1回1包、水不要の顆粒剤 1日1包まで

コーヒー味

6包み入り

540円

形状、価格、味、用途を比べ、相性のよいものを選びましょう。

 

[錠剤 vs.粉末]無水カフェインの錠剤の利便性

なぜ、無水カフェインは錠剤で売られているのが一般的なのかというと、第一に苦み成分をマスキングするためです。苦みをコーティングし錠剤にすることで、飲みやすくなります。

第二の理由、これが重要なのですが、錠剤にすることにより、適正摂取量を守りやすいということです。

100%純粋な粉末状のカフェインはティースプーン1杯で2.7gのカフェインを含有しており、これはコーヒー約28杯に相当します。粉末は正確な計量が難しく、一歩間違えば過剰摂取により命を落とす危険性もあります。1度にティースプーン2杯の摂取で致死量となります。

海外ではこのような粉末状カフェインの過剰摂取による死亡事故が相次いで明らかになり、その危険性が問題視されています。

含有量が明示されている錠剤や、カフェイン入り清涼飲料水でも、摂取量はあやまりやすいので、注意が必要です。

日本でも2015年、国内初のカフェイン中毒による死亡事故が明らかになりました。

粉末形状のカフェインとしては、安息香酸ナトリウムとカフェインを複合した 安息香酸ナトリウムカフェイン(通称アンナカ)が知られていますが、こちらは劇薬指定医薬品なので、摂取用法と用量を守り慎重に投与しましょう。